「ジュルのしっぽ-猫日記」から「殺処分ゼロへの道筋(2)」 [「ジュルのしっぽ-猫日記」から]

ジュルのしっぽ-猫日記」さんから「殺処分ゼロの道筋(2)」の転載です。

・・・・・・・・・・文字のみ転載・・・・・・・・・・

「殺処分ゼロへの道筋(2)」

2009-08-08 / ネコの行政
Ⅱ.改善項目 ペット業界(前編)

Ⅰ.で日本の犬猫の現状を改善するには、以下の項目を改善する必要があることがわかった。

1.動物取扱業の規制強化
2.犬猫の社会化期を考慮した健全な流通上のルールづくり
3.店頭展示の生体販売禁止を軸にしたペット業界の改革
4.犬猫を物扱いせず守ることができる法規制の整備
5.譲渡主体の動物行政の実現

このうち1.2.3.は、ペット業界に係る項目なので、まとめて考えることにしてみた。

1.動物取扱業の規制強化

[ 現 状 ]

■動物取扱業とは、ペットショップやブリーダーから、ペットシッターや動物園まで含む。
 そのうち、ペット販売業だけで全国で21,872にのぼる(環境省資料平成20年9月現在)。
■「動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目」によって、
 動物の管理に関することが法律によって定められている。
■動物愛護法改正によって、届出制から登録制になったことで、
 悪質なブリーダーや素人ブリーダーを排除する環境が整ってきた。
 ただし、実際には悪質なブリーダーは未登録で営業されているケースが多いといわれている。
■登録を受けていない動物取扱業は30万円以下の罰金に加え、2年間再登録ができない。
■施設や飼育に問題があり基準に達していない場合は、都道府県知事が改善すべきことを勧告し、
 必要な場合は立入検査することができる。従わない場合はさらに登録取消もできるようになった。


[ 問題点 ]

(1)基準の内容が抽象的なので規制になっていない。
実際に「動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目」を確認すると
わたしでも気づくことがある。あまりにも規定が漠然としていて曖昧。
例えば、「長時間にわたる場合」とか「十分な広さ」とか「適切な期間」といった抽象的な規定が多い。
これでは実際に勧告したり立入検査することができるはずない。
その証拠に、平成14年度に都道府県が指導した件数は、延べ2,935件にものぼるのに、
そのうち実際に勧告されたのは4件、命令は1件だけ(環境省資料より)。
基準が抽象的なのは平成18年の改正後も同じなので、恐らく現在も口頭で指導するのがほとんどで、
勧告や命令は限られていて実質的に規制になっていないと思う。

(2)罰則が軽すぎる。
登録を受けずに営業したとしても、30万円以下の罰金を払うだけで済む。
他の法律と比べると罰則が軽すぎるのがよくわかる。
動物取扱業が参考にできる法律として、営業するのに免許や登録を必要とするものの中でも、
動物を扱うという意味で「家畜商法」、命を扱うという意味で身体に直接影響のある「食品衛生法」、
趣味性が強いという意味で「風営適正化法」、これら3法を参考にすると、罰則が際立って軽いのがよくわかる。

■■■動物取扱業 ■■■
登録を受けずに動物取扱業を営んだ者、不正の手段で登録を受けた者は、30万円以下の罰金
罰則を受けてから2年間再登録できない。
■■■家畜商法■■■
免許を得ずに家畜商を営んだ者、不正の手段によって免許を得た者は、
2年以下の懲役もしくは10万円以下の罰金
罰則を受けてから2年間免許は取得できない。
■■■食品衛生法■■■
許可を得ずに営業した者は、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金
罰則を受けてから2年間許可は得られない。
■■■風営適正化法■■■(対象はパチンコ店やゲームセンター等)
許可を得ずに営業した者、不正の手段によって許可を受けた者は、
2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金
罰則を受けてから5年間許可は得られない。

比較した3法は揃って、「2年以下の懲役」なのだから、動物取扱業も同等にするのが妥当だと思う。
いずれにせよ、懲役刑がないというのは罰則が不充分と言わざるを得ない。
また、罰則を受けてから再度、登録や許可を得るには概ね2年間だけど、
風営適正化法のように違法行為が多い分野では5年間という例もある。
動物取扱業では把握しにくいブリーダーによる未登録運営の悪質なケースが多いと
一般的にいわれているぐらいだから、違法行為が多い分野と考えてもよいと思う。


[ 改善策 ]

■動物愛護法の動物取扱業の罰則を強化する。
①第6章罰則 第46条の1項を、
 登録を受けずに動物取扱業を営んだ者、不正の手段で登録を受けた者は、
 「2年以下の懲役」に強化する。
 ※罰金刑は他の法律を参考に適当な額とする。
②動物愛護法 第3章動物の適正な取扱い 第12条2~4項を、
 「罰則を受けてから5年間再登録できない」に強化する。

■「動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目」の規定を具体的にする。
以下に挙げるような漠然とした規定基準は、平成18年度改正の際も具体的に掲げることが
検討されたが反映されず、現在のように取締りが徹底されていない状況を作り出している。
平成24年度改正では特に改正が必要だと思う。
ただし、科学的、獣医学的に根拠のある基準でなければいけないことをふまえると、
早い段階から専門家による検討委員会を設置して、よく検討する必要があると思う。

第3条の1
飼養期間が長期間にわたる場合にあっては、
→具体的な日数の設定(例:3日以上)
必要に応じて走る、登る、泳ぐ、飛ぶ等の運動ができるように、
より一層の広さ及び空間を有するものとすること。

第5条のホ
幼齢な犬、ねこ等の社会化を必要とする動物については、(中略)
適切な期間、親、兄弟姉妹等とともに飼養又は保管すること。
→後述の後編2.の改善策と同じ。
「猫の場合は生後8週齢未満、犬の場合は生後13週未満までは」

第5条のヌ
販売業者及び展示業者にあっては、長時間連続して展示を行う場合には、
→具体的な時間の設定(例:3時間以上)
動物のストレスを軽減するため、必要に応じてその途中において
展示を行わない時間を設けること。
→具体的な時間の設定(例:時間を3時間以上)

・・・2.3.はまだできていないので、またあした。


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