「ジュルのしっぽ-猫日記」から「殺処分ゼロへの道筋(4)」 [「ジュルのしっぽ-猫日記」から]

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「殺処分ゼロへの道筋(4)」の文字のみ転載です。


・・・・・・・文字のみ転載・・・・・・・・

「殺処分ゼロへの道筋(4)」
2009-08-12 / ネコの行政

Ⅲ.改善項目:法律

日本の犬猫の現状を改善するのに必要な項目は、ペット業界に関する1.2.3.以外にあと2つ。
4.犬猫を物扱いせず守ることができる法規制の整備
5.譲渡主体の動物行政の実現
今回は法律についてまとめてみた。



4.犬猫を物扱いせず守ることができる法規制の整備

[ 現 状 ]

平成18年度の動物愛護法改正によって、虐待等に対する罰則が強化された。
「動物愛護及び管理に関する法律」の第6章「罰則」第44条
■愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金。
■みだりに給餌又は給水をやめることにより衰弱させる等の虐待を行った者は、50万円以下の罰金。
■愛護動物を遺棄した者は、50万円以下の罰金に処する。

[ 問題点 ]

■動物愛護法は犬猫等動物を正当に保護できる法律になっていない。

虐待等に対する罰則として、児童虐待防止法を参考にして考えることにした。

「何人も児童に虐待してはならない」(児童虐待防止法3条)ことになっているから、
人の子への虐待には自分の子も他人の子も関係なく、殺人罪、傷害罪といった罰則が科せられる。

ところが犬猫への虐待は、その犬猫を所有している人によって罰則が異なってしまう。
他人の犬猫への虐待は、器物損壊罪。3年以下の懲役又は50万円以下の罰金。
自分の犬猫もしくは所有者のいない犬猫への虐待は、動物愛護法違反。
1年以下の懲役又は100万円以下の罰金。

本来は「何人も動物をみだりに殺し、傷つけ、苦しめることのないようにする」(動物愛護法第2条)ことを
基本原則としているわけだから、人の子と同じく命ある犬猫への虐待も、
自分の所有も他人の所有も関係なく、罰則が等しく問われるのがあるべき姿だと思う。

ではなぜ所有者によって異なってしまうかというと、これまでの日本が法律に限らず、
<犬猫=所有物、つまりは物>という考え方だから。
例えばジュルと新幹線で山形へ行けば、ジュルは「手回り品」として運賃料を払う。
犬猫を人の所有物と考えているから、自動的に民法に定められている器物損壊罪に
あてはめられてきた経緯がある。
結果として、物として損壊された場合の方が、命ある動物として殺され傷つけられるよりも重い罪が
科せられるというバランスの悪い構図になっている。

<犬猫=物>と考えることが前堤の器物損壊罪ではなく、動物愛護法第2条で示されているとおり、
何人も等しく許されないことなのだから、動物虐待に関することは、動物愛護法に規定するのが
本来のあるべき姿だと思う。




[ 改善策 ]

・所有者の別なく動物の生命を尊重し、動物への虐待等の定義及び罰則等は
 動物愛護法で規定するものとする。他人所有の動物についても、器物損壊罪を適用しない。
・現在のように殺害と傷害を同等の罰則で括るのは適当ではない。分けて罰則を設定するべき。
・殺害の罰則は、器物損壊罪と動物愛護法を参考にして設定する。器物損壊と殺害とを比較した際、
 後者の方により多くの罰則が科せられるのが一般的常識であることを踏まえ、
 現在の器物損壊罪の量刑を基準として設定する。
・現在の動物愛護法でいう虐待の内容(給餌給水しない・衰弱させる等)は、 遺棄に定義される。
 「等」という表現で曖昧にせず、条文で具体的に定義しなければならない。
・遺棄の罰則は殺害及び傷害の罰則から考えて、現状と同等で適当だと思う。
・必要な保護をしない場合や正当な理由なく保健所に持込むことは紛れもなく飼育放棄であり、
 一般常識として「遺棄」に該当するため罰則対象とする。

■動物愛護法第44条罰則を、以下のように改正する。
<殺害の場合>
動物をみだりに殺した者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金
<傷害の場合>
動物の身体をみだりに傷害した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
<遺棄の場合>
動物を保護する責任のある者が遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったとき、
又は正当な理由なく保健所に持ち込み処分する者は、50万円以下の罰金とする。

<遺棄の定義>
・みだりに給餌・給水をしない。
・健康維持に必要最低限な治療をしない。
・猛暑もしくは寒中等、身体に悪影響が及ぶおそれのある環境に長時間放置する。
・動物の大きさ及び習性に対し、著しく狭い空間で長時間飼養する。
・健康に支障をきたすほど著しく不衛生な環境で飼養する。
・正当な理由なく保健所で処分する。

<正当な理由の定義>
・飼い主の死亡もしくは中長期入院を余儀なくされた場合
・重度な怪我や病気によって飼育が不可能になった場合
・破産、失業、生活保護適用等、経済的事情が逼迫した場合
・遺棄されていた犬猫を拾って持ち込んだ場合
・引取り手を探す努力を最大限したがみつからず、やむを得ない場合




■動物虐待の通告義務及び、行政の勧告又は立入調査及び一時保護の制度化
動物愛護法の動物取扱業の規制と児童虐待防止法を参考にして動物愛護法に、
以下のとおり定める。
・動物虐待が疑われる場合又は発見した場合の通告の義務化。
・都道府県知事は通告があった場合、改善するよう勧告を行うことができる。
・勧告に従わない場合は、都道府県知事は立入調査又は一時保護を実施できる。


<通告義務>
動物虐待を発見した者は速やかに、都道府県もしくは市町村の保健所又は動物愛護センター
又は動物愛護推進委員を介して、都道府県もしくは市町村の設置する保健所又は
動物愛護センターに通告しなければならない。

<通告を受けた場合の措置>
都道府県もしくは市町村の保健所又は動物愛護センターが通告を受けたときは、
必要に応じて近隣住民、保健所の職員、動物愛護推進委員その他の者の協力を得つつ、
動物愛護法に抵触又はその恐れがある虐待を認めたときは改善するよう勧告できる。
必要に応じて当該動物の安全の確認を行うための措置を講ずるとともに、
次に掲げる措置ができるものとする。
・当該動物を一時保護すること。
・当該動物の調査又は質問、立入調査又は一時保護の実施が適当であると認めるものを
 都道府県知事又は保健所長へ通知し、都道府県知事は、それら措置の実施を許可できる。


***********************

具体的な量刑の妥当性や定義については、当然わたし達なんかより、専門家の検証が必要だと思う。
ネコ好きとかイヌ好きとか関係なく一般常識として、法律はこの方向性で検討してもらいたい。
専門的な分野なので、ここまでが精一杯・・・。



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