「ジュルのしっぽ-猫日記」から「殺処分ゼロへの道筋(5)」 [「ジュルのしっぽ-猫日記」から]

ジュルのしっぽ-猫日記」さんから

「殺処分ゼロへの道筋(5)」の文字のみ転載です。


・・・・・・・文字のみ転載・・・・・・・・

「殺処分ゼロへの道筋(5)」
2009-08-14 / ネコの行政


Ⅳ.改善項目:行政

さて、あと残すはひとつ。行政についてまとめてみた。

5.譲渡主体の動物行政の実現


[ 現状 ]

現在各地にある動物収容施設は、狂犬病対策としてつくられた経緯があるため、
動物を保護して生かす目的ではなく、処分目的で設計されており、
譲渡事業を展開するスペースや設備が整えられない施設が多いという。
平成20年度に各都道府県で動物愛護管理推進計画が策定され、
動物行政が譲渡主体へ移行しはじめたばかり。
既に存在する動物収容施設をシェルター化することで、譲渡主体に切り替えていく方針になっている。
そのために本年度から実際に1億円の予算が割かれている。

[ 問題点 ]

(1)設備、人員等収容施設の不備。
現在の収容施設は殺処分目的で設計されているため、譲渡主体とする設備、スペース、
人員の確保等を図って譲渡主体に転換する必要があるが、すぐに実現できることではない。
転換が進み、譲渡主体の動物行政を実感できるようになるまでは、物理的にどうしても
時間がかかってしまう。それまでの間に解決できること、すべきことを実行していくしかないのが現実。

(2)犬猫はペットショップ購入が、いまでも主流。
日本では一般的に犬猫と暮らすには、店頭展示生体販売をしているペットショップ
で購入するのが主流。
最近ではインターネット販売にまで広がっている。
今後、推薦されるペットの入手方法は、特定の純血種が決まっていれば、繁殖のプロである
優良なブリーダーへ依頼して入手。特に純血種へのこだわりがない場合は、動物収容施設の
犬猫を譲渡希望する方法が挙げられる。
今後のペットショップのあり方としては、どうしても距離感が出るブリーダーと客との間の架け橋となり、
入手時にブリーダーを紹介、飼養方法の伝達などのサポート業務と、ペットを入手した後の
餌や道具などの販売やトリミングなどアフターサービスを引き受けることで、
客を取り込むスタイルが理想的に思える。
しかし、推薦される方法が浸透するまでには、やはり時間がかかる。
浸透するまでの時間を短縮するためには、積極的な譲渡事業の展開をしない限り、
そう簡単に譲渡は普及しないと思う。

(3)収容施設では育児できない離乳前の子猫が、引取り数の45%に及んでいる。
平成19年度の犬猫の引取り総数336,349頭のうち、離乳前の子猫がじつに全体の
45%を占めている。
離乳前の子猫は一日中つきっきりの世話が必要になるため、ボランティア団体やシェルター施設に
保護される以外は、即日殺処分されてしまう運命にある。
よって、離乳前の子猫を譲渡できる仕組みづくりが重要な課題になる。




[ 改善策 ]

■都道府県及び市町村の動物収容施設における定期的な譲渡会開催の義務化
動物収容施設の中には、積極的に譲渡会を開催する施設もあれば、開催しない施設もある。
そのような環境では到底、譲渡事業の発展は期待できない。
譲渡に関する規程は、「犬及びねこの引取り並びに負傷動物の収容に関する措置要領」にある。
「第3保管、返還及び譲渡
所有者がいないと推測される保管動物、所有者から引取りを求められた保管動物、
及び所有者の発見ができない保管動物について、家庭動物又は展示動物としての適性を評価し、
適性があると認められるものについては、飼養することを希望する者を募る等により、
できるだけ生存の機会を与えるように努めること。」

「できるだけ生存の機会を与えるように努める」とあるが、これを具体的に表現すれば、
譲渡機会の創出と保管期間の延長ということになる。
要領の条文そのものでなくとも、通達により解釈を以下のとおり明確にして、
譲渡会開催を義務化する。
「できるだけ生存の機会を与えるように努めるという定義として、都道府県及び市町村の
動物収容施設において、譲渡機会を得る住民にとって不便及び不平等にならぬよう、
各施設において月1回以上の定期的な譲渡会を計画して
住民に周知した上で実施すること、及び収容期間延長の配慮をできるだけ行うことをいう。」



■離乳前の子猫の一時飼養ボランティアを募集する。
協力ボランティア団体やシェルター施設だけでは収容されてくる離乳前の子猫をカバーできない場合、
現在でも登録できる都道府県もあるが、個人ボランティア登録の推進をはかり、
離乳前の子猫を一定期間飼養するボランティアが、自宅で数週間世話をして育て、
その間に施設とボランティアが共に譲渡先を募集する制度を導入する。


***********************

これまでの(1)~(5)を後日、まとめてみて
殺処分ゼロに限りなく近い社会が、本当に実現できるのか
実現できなさそうなら、なにが無理で、なにが足りないのか
自分達なりに考えていきたいと思っています。
ご意見等あれば、反論でも構いません。お寄せください。
もちろん、おかしな誹謗中傷は、いつも通りサクっと削除させていただきます。



署名を募集しています。
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殺処分の改善を求める署名です。
ご協力いただけるとうれしいです。






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