「ジュルのしっぽ-猫日記」から「殺処分ゼロへの道標」 [「ジュルのしっぽ-猫日記」から]

ジュルのしっぽ-猫日記 」から文字のみ転載です。


・・・・・・・・・・・転載・・・・・・・・・・・


殺処分ゼロへの道標

2009-10-04 / ネコの行政


「殺処分ゼロへの道筋」を考えてみて、そのたびにまとめたことを公開することで
皆さんからメールやコメントでたくさんのアドバイスをいただきました。
本当にありがとうございました。


これまでのことをまとめると、いまわたし達が変えたいことを、以下の8点に集約してみました。
いわば殺処分ゼロへの道筋でつけていきたい道標です。
まだまだこれからも教えていただければ幸いです。

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ボイントとして特に強化したいのは、行政や警察・検察が動物虐待に対応できる体制づくりです。
いまは対応できていないように思います。その証拠に、平成18年度に受理された動物愛護法違反48件のうち、起訴が12、不起訴が35。
実に受理された告発の70%以上が不起訴になってしまっています。
法律をいくらつくったとしても、使い方に慣れていないのですからお話になりません。

1.虐待の定義を明確にすること。

行政による指導、勧告、命令が迅速に措置しにくい原因であり、かつ、警察や検察が係わった際、虐待の定義が曖昧であることが適切な対応を難しくする原因になっています。
「児童虐待の防止等に関する法律」でも虐待の定義が明確にされているとおり、罰則対象となる虐待が定義されなければ、罰則の効力は充分に発揮されません。
この現状を改善するために、例として以下のような具体的な虐待の定義を法律で明確にすることを提案します。

動物愛護管理法において虐待とは、動物の管理の方法に関して環境省令で定める基準及び、愛護動物について行う次に掲げる行為をいう。
一 愛護動物にみだりに給餌又は給水をせずに衰弱させること。
二 愛護動物の傷病を治療せず、みだりに放置すること。
三 愛護動物の身体に支障をきたす又はその恐れのある環境(不衛生、猛暑等)で飼養すること。
四 愛護動物の大きさ・生態等に対し、日常的な動作を妨げるような狭い空間で飼養すること。
五 愛護動物の母体に過度な負担をかけ、年に複数回に渡って繁殖させること。
六 愛護動物を遺棄すること。
七 愛護動物に不必要な暴力をふるい、又は不必要な行為により恐怖を与えること。
八 愛護動物に獣医師免許を持たない者が医療行為を行うこと。
九 その他愛護動物の身心に支障をきたす又は恐れのある不当な行為若しくは不作為で不要な苦しみを与えること。

2.動物虐待の早期発見に関する条文をつくる。

1.で説明した行政による指導、勧告、命令が迅速に措置しにくい原因であり、かつ、警察や検察が係わった際、虐待の定義が曖昧であることが適切な対応を難しくする原因にはもうひとつ、行政も警察や検察が動物虐待への対応の不慣れであることが指摘されています。
そこで、「児童虐待の防止等に関する法律」第3条で定めている「国及び地方自治体の虐待の予防及び早期発見の責務」に習い、動物虐待に対応するため、地方自治体の動物関連機関だけでなく、警察等関連機関や民間も含めた動物虐待の改善及び防止体制の整備づくりが必要です。

(動物虐待の早期発見等)
■地方自治体の動物愛護担当職員、警察、獣医、民間団体、動物収容施設等動物の愛護に業務上関係のある者及び団体は、動物の虐待の早期発見に努めなければならない。
(国及び地方自治体の責務等)
■国及び地方自治体は、虐待の予防及び早期発見を行うため、警察等関係機関及び民間団体の間の連携の強化、その他動物虐待の防止等のために、関係機関と協力して必要な体制の整備に努めなければならない。
2 国及び地方自治体は、動物愛護担当職員、動物収容施設職員、その他動物愛護に職務上関係のある者が動
物虐待早期に発見し、その他動物虐待の防止に寄与することができるよう、研修等必要な措置を講ずるものとする。
3 国及び地方自治体は、動物虐待の防止に資するため、必要な広報その他の啓発活動に努めなければならない。

3.環境省等関係省庁による「行政と警察の対応マニュアル」の作成
関係機関が複数存在するような悪質商法や食品偽装等に対応するために、実際に行われている「行政と警察の連携した対応マニュアル」を導入。連携強化のために都道府県単位で協議会を設け、警察に提出する告発状のひな型等のマニュアルを具体的に作成する。警察との連携や告発に及び腰とされる地方自治体に周知し、迅速で厳しい対応を促す。

4.獣医師の立入検査を義務化する。
食品衛生法に定められた食品衛生監視員が実施する立入検査を参考にし、動物愛護法違反を未然に予防する措置として、都道府県が指定する獣医師により、虐待等問題が生じた際に影響が大きい頭数を飼養する等の重点対象施設を中心とした年間立入計画による「年1回以上の年間立入検査」、及び虐待等の発生時に実施する「緊急立入検査」を実施する。
獣医師による虐待の事実を発覚しやすくし、勧告、命令を出しやすくする。

これを動物取扱業者が拒否した場合、勧告、命令から登録取消し、業務停止命令になれば、結局、元の木阿弥になってしまう・・・。
将来的には、地方自治体の保健所に在席している食品衛生監視員のような犯罪の予防を目的とした行政警察活動へ進化させ、関係施設への立入権限、収去権限を認め、後々には犯罪捜査と逮捕を目的とした警察や税関のような司法警察活動に進化させ、アニマルポリスへと進化させていく。

5.動物取扱業者を登録制から許認可制に改正すること。

現在、動物取扱業者からの申告で管理する登録制であるため、行政も環境省も全ての動物取扱業者を把握できていないのが現状です。限られた人手や予算では、把握できていない対象を管理などできるはずがありません。これが現在の無登録業者の存在及び悪徳業者が多く存在する大きな原因になっています。


6.生後8週齢(56日)未満の社会化を必要とする動物については、
  商業目的で親兄弟姉妹等から引き離してはならないように改正すること。

「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則」第8条1項を、「販売業者にあっては、幼齢な犬猫等の社会化を必要とする動物については、生後8週齢(56日)までは親兄弟姉妹等と共に飼養された動物(哺乳類に属する動物に限る)を販売に供すること」に改正すること。
併せて、各環境省告示を改正すること。
なお、親元から同腹の幼齢個体だけを離すことは社会化とは認めない。

7.幼齢な動物の場合は、生後月齢によって展示時間を定める。

店頭展示をできるだけ健全に実施するために、比較として動物を展示している動物園の例を踏まえ、下記のように定義しましたが、獣医学等科学的な知見をもとに、定義することを提案します。

販売業者及び展示業者にあっては、動物のストレスを軽減するため長時間連続して展示を行う場合には、
■生後12週齢(84日)以上の動物は1日最長8時間までとし、
 その途中において展示しない時間を1時間以上設けること。
■生後8週齢(56日)以上生後12週齢(84日)未満の動物は、1日最長5時間までとし、
 その途中において展示を行わない時間を1時間以上設けること。
■親兄弟姉妹等と共に飼養されている生後8週齢(56日)未満の動物は1日1時間以内にすること。

8.「動物の愛護及び管理に関する法律」第44条罰則を、以下のように改正すること。

<殺害の場合>動物をみだりに殺した者は、3年以下の懲役に処する。
<傷害の場合>動物の身体をみだりに傷つけた者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

現在のように殺害と傷害を同等の罰則で括るのは適当ではありません。器物損壊と殺害とを比較した際、後者の方により多くの罰則が科せられるのが一般的常識であることを踏まえ、殺害と傷害に分け、殺害の法定刑を現在の器物損壊罪の法定刑まで引き上げることを提案します。


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ご提案いただいていた「アニマルポリス」と「獣医師による定期検査の義務化」について調べて、3.4.を加えました。

これから2011年の動物愛護法改正に向けて、たくさんの署名や提案が出てくると思います。


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